0.017度のズレ
2020/05/29
皆さまこんばんわ
タケダ工業代表取締役の武田です。
いつも大変お世話になっております。
ここ数日、日中は気温も上がり半袖に身を通す季節となりました。夜は爽やかなそよ風が吹き、思わずウォーキングに出かけたくなり、連日3人の息子を連れて運動不足解消をしていますが、自宅の周辺は田んぼ道ですので農水道がございます。もう6月に入りますが、蛍が飛び交っていました。美しいです。子供達と大はしゃぎ。
癒されますね。田舎に住んでて良かったと思える瞬間です。
本題に戻りますが、先日あるお客様からクレームの連絡が入りました。
鉄道の車軸部品ですが、一番重要なテーパ部の角度の不具合が報告されまして図面指示1/10テーパ(5.712度)を研磨仕上げで加工しますが、ねらいに対してわずか0.017度ズレているといった内容でした。
テーパゲージに光明丹を塗布して製品に嵌めると接触部に光明丹が付きます。だいたい90%以上付けば合格ですが、このズレでは、75%ぐらいしか付きません。
テーパ部のハメ合い精度は大変重要でこの0.017度のズレでも大問題となります。
当社としましても不良を出さない、流出させない仕組みを構築はしていますが、このような事案を出してしまいお客様にご迷惑をおかけしました。
幸い手直しは出来ましたので、再納入いたしました。
今回の原因として、角度を三次元測定器で測定し、数値を算出していますがどうも数値を読み間違えたというのが原因として考えられます。
もちろん検査記録は残していましたが、検査項目では角度5.712±0.003度に対してOKと記録していました。
これでは、本当に規格内であったのか分かりません。
ですので対策として実測値を記入することとモニター上に表示される数字を印刷してエビデンスとして残すよう対策をとりました。
それにしてもこのような高精度の加工を当社の社員達がやってくれてることに改めて感謝しなきゃいけないと感じました。大きなクレームにはなりましたが、朝の朝礼の報告でもこれだけの精密な事をやってくれているという事を皆んなに伝えさせていただきました。
問題を起こした事に非難ばかりしていると技術者の心は萎えてしまいます。
こういった心のケア、当社の管理者にはしっかり勉強してもらいたいと思っています。